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名古屋 甲状腺 専門医のブログ 妊娠中の甲状腺機能亢進症
妊娠中に起こる甲状腺機能亢進症
昨日、ある患者さんが甲状腺を心配されて見えました。妊娠中に「つわり」がひどいため、名古屋市内にある大きな病院の産科に数ヶ月前に入院され、甲状腺ホルモンが多いので内分泌内科の部長先生に診てもらったようです。
診断は軽いバセドウ病か、でヨードの摂り過ぎで甲状腺ホルモンが多くなったとの説明だったようです。
その後は、甲状腺ホルモンも改善して元気になったようです。
この病気は「妊娠一過性甲状腺機能亢進症」と呼べれる状態です。
バセドウ病ともヨードの摂りすぎとも全く関係ありません。
妊娠初期には胎盤からHCGという性ホルモンがたくさん出ます。
これが、「つわり」おこしたりしますが、少しながら甲状腺ホルモンをつくる働きもあります。
HCGがかなり多いと妊娠初期に一時的に甲状腺ホルモンが多くなることがあります。
ただ、これは1ヶ月ぐらいで正常となるので、よほど重症でなければ、治療せずに様子みます。
ヨード制限は全く無意味です。むしろ、治療薬でヨード薬を使用することがあるぐらいです。
大病院の専門とされるドクターでも結構お寒い状態のこともあります。