甲状腺ホルモンには、T3(トリヨードサイロニン)とT4(サイロキシン)の2種類があります。この値が高いときは甲状腺機能亢進(甲状腺ホルモンが過剰)で、低いときは機能低下(甲状腺ホルモンが不足)です。甲状腺ホルモンの大部分は血液中の蛋白と結合していますが、実際に作用するのは結合していない遊離(フリー)のホルモンです。そのため、最近ではほとんどの場合、フリーT3、フリーT4を測ります。 T3の大部分はT4から体の中でつくり替えられ、普通T3とT4は平行して変動しますので、特殊な状態を除いて甲状腺ホルモン検査ではフリーT4のみ測定で十分です。フリーT3は変動が大きいため必要ありません。
バセドウ病や橋本病は自己免疫による病気です。免疫は、体内に入ってきて自分以外のもの(ウイルス、細菌、カビなどの微生物や他人の組織)を排除しようとする働きをいいます。自己免疫とは自分の体につくった免疫をいい、その結果、悪影響を及ぼす病気を自己免疫疾患といいます。甲状腺にも多くの自己免疫が知られています。
抗サイログロブリン抗体と抗甲状腺ペルオキダーゼ抗体は橋本病とバセドウ病で陽性になります。甲状腺自己免疫による病気の診断には有用ですが、経過観察のためにはあまり意味はありません。1回測定すれば十分です。
(代表的な場合です、例外もあります)
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