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名古屋 甲状腺 専門医のブログ 乳頭癌(診断しやすい癌)

乳頭癌-診断しやすい癌
甲状腺癌の中で一番多いは乳頭癌です。
この癌は、超音波検査である程度、癌らしいと判定できますし、細胞診で確認します。
数mmの小さな癌でも、超音波画像を観ながら、細胞を採取することで診断できます。

(さらに…)

名古屋 甲状腺 専門医のブログ 間違えやすい病気

間違えやすい病気-パニック障害

バセドウ病では甲状腺ホルモンが多くなるので、動悸や汗が多くなったり、体がだるくなったりします。
動悸がして、呼吸が乱れて、冷や汗が出るといって甲状腺を心配されて受診される患者様が見えます。
甲状腺ホルモンは問題なく。よくよくお話を聞いてみると、パニック障害の方が結構みえます。
パニック障害とは、不安障害の1つで強い不安症状に動悸や呼吸困難を感じます。呼吸も乱れて、過呼吸になります。
過呼吸が強いと、呼吸がさらにしづらい感じとなり、不安が増強して悪循環におちいります。
炭酸ガスが抜けすぎるため、しびれたり、筋力の低下します。中には救急車で病院に搬入される方もありますが、病院に到着して安心すと落ち着きます。
治療は脳の中のセロトニンという物質が増やしてあげると不安が軽くなりますので、薬を使うと多くの方は改善します。

名古屋 甲状腺 専門医のブログ バセドウ病と間違われやすい病気

バセドウ病と間違われやすい病気 ②更年期障害

「動悸がして、汗が多い」という患者さまの中に更年期障害の方も結構見えます。一見するとバセドウ病と間違われやすい症状です。
更年期障害とは主に女性に多く、女性ホルモンが低下してきて起こる症状のことをいいます。
女性ホルモンの中でエストロジェンが少なくなって、のぼせ、ほてり、冷え症、発汗異常、動悸、めまい、うつ状態、イライラ感など症状が出ます。
発汗異常といっても、全身ではなく、上半身だけとか、顔面だけとか訴えられることが多く、しかし、下半身は冷え性で困るなどともいわれます。下記の表を参考にして下さい

症 状
点数
01
顔がほてる
10
 
02
汗をかきやすい
10
 
03
腰や手足が冷えやすい
14
 
04
息切れ、動悸がする
12
 
05
寝つきが悪い、または眠りが浅い
14
 
06
怒りやすく、すぐイライラする
12
 
07
くよくよしたり、憂うつになることがある
 
08
頭痛、めまい、吐き気がよくある
 
09
疲れやすい
 
10
肩こり、腰痛、手足の痛みがある

 
 
合計点
 
25点
・・・
上手に更年期を過ごしています。これまでの生活態度を続けていいでしょう。
26
50点
・・・
食事、運動などに注意をはらい、生活様式などにも無理をしないようにしましょう。
51
65点
・・・
医師の診察を受け、生活指導、カウンセリング、薬物療法を受けたほうがいいでしょう。
66
80点
・・・
長期間(半年以上)の計画的な治療が必要でしょう。
81
100点
・・・
各科の精密検査を受け、更年期障害のみである場合は、専門医での長期の計画的な対応が必要でしょう。
名古屋 甲状腺 専門医のブログ バセドウ病と間違われやすい病気

バセドウ病と間違われやすい病気 ①パニック障害

先日、「動悸がして、胸がしんどくなる。冷や汗もでて、体がだるくなる。」という患者さまが、バセドウ病などの甲などの状腺なの病気を心配されて見えました。
甲状腺ホルモンは問題なかったのですが、よくよく聞いてみると、発作的に動悸がして呼吸が乱れて、強い不安を感じるとのことでした。
このような病気をパニック障害といいます。
パニック障害とは不安障害や不安神経症の1つで、急に強い不安感に襲われ、動悸がし、呼吸が乱れます。
過呼吸のため、胸苦しく感じたり、血液の炭酸ガスが抜けてしまうため手足がしびれたり、筋力が低下します。心臓が飛び出てきそうだと表現する方もみえます。
脳の中のセロトニンという物質を増やしてあげる薬(SSRIと略していいます)をつかうと、不安感が軽減して、多くの方は改善します。
メンタルクリニックでも診ていただけます。

名古屋 甲状腺 専門医のブログ 甲状腺ホルモン薬の飲み方

甲状腺ホルモン薬の半錠の意味

本日、甲状腺機能低下症の患者さんが見えました。他院でチラーヂンS50というお薬を半錠飲んで見えました。
ラーヂンSというお薬は大変小さなお薬で、半分に割るのは非常に難しいです。

もともと、チラーヂンS50の半分であるチラーヂンS25というお薬があります。
チラーヂンSというお薬は、飲んでから体からなくなるのが、1週間以上かかるぐらいゆっくりと効くお薬ですので、1錠1日おきに飲んでも、半錠毎日飲んだのとほとんど変わりありません。

このことを説明しましたら、今まで教えてもらったことがないと驚かれていました。
患者さんにはチラーヂンS25 1錠毎日に変更して処方し、喜んで帰られました。

名古屋 甲状腺 専門医のブログ 甲状腺ホルモン異常とうつ病

甲状腺機能低下症とうつ病

あるご高齢の患者様が甲状腺を心配されて受診されました。
とあるメンタルクリニックでうつ病と診断されて、うつ病のお薬を飲んでおられたのですが、夏なのに寒がり、体重が増加する。薬を飲んでもだるいくて改善しないとおっしゃっておられました。

甲状腺ホルモンを測定したところ、甲状腺機能低下症であったため甲状腺ホルモンを補充して徐々に調子良くなりました。うつ症状も改善し、抗うつ薬も飲まなくても元気で生活されています。

このように甲状腺の病気では様々な症状がでることからほかの病気と間違われていることもあります。
間違われやすい病気と症状は
バセドウ病では      
症状           間違われやすい病気
のぼせ、汗が多い  更年期障害
イライラする       精神病
動悸、脈が速い    心臓病
下痢、微熱       胃腸病

名古屋 甲状腺 専門医のブログ バセドウ病治療薬メルカゾールの飲み方

抗甲状腺薬メルカゾールの飲み方

先日、他院でバセドウ病を治療されている方が転勤のため、当院に紹介状を持って受診されました。
お薬はメルカゾールを3錠飲んでおられて、甲状腺ホルモンは正常範囲を保たれています。

メルカゾールは3錠を毎食後3回に分けて飲んでおられたのですが、1回3錠でいいですよとお伝えしましたところ、患者さんは「1回でいいなんて今まで聞いていませんでした。飲み忘れが少なくてそちらの方がいいです。」とびっくりしされてました。

メルカゾールは血液の中でなくなるのは数時間ですが、甲状腺の中では長く効いているので、同じ量でも、1日1回で問題ないことがわかっています。そちらの方が患者さんにとってはずいぶん便利ですし、飲み忘れも少なくて済みます。

もう一つのお薬、プロパジール(チウラジール)は残念ながら効き目が短いので分けて飲んだ方がいいです。

名古屋 甲状腺 専門医のブログ バセドウ病と甲状腺癌

バセドウ病に甲状腺癌が多いでしょうか?

前回、ご紹介した患者さんは、バセドウ病で治療中に甲状腺癌が発見されました。
実際、バセドウ病患者さんでは甲状腺癌が発見されることがしばしばあります。

きちんとデータをとられた先生がたくさんみえます。甲状腺癌の発生はバセドウ病のあるなしでは違いがなかったという報告が多いようです。

バセドウ病があると、必ずといっていいぐらい甲状腺超音波検査を行いますので、甲状腺癌が発見されやすいというのが実情のようです。

バセドウ病の患者さんは過度に甲状腺癌のことは心配なさらないように、バセドウ病をきちんと治療して下さい。

名古屋 甲状腺 専門医のブログ 親子のバセドウ病

親子のバセドウ病

本日、親子でバセドウ病であるという患者さんが定期検査に見えました。
2人とも数年前にバセドウ病と診断されて、改善したため、数年前からバセドウ病治療薬(メルカゾール)を中止され、現在は甲状腺ホルモンは正常でした。

治療しなくても甲状腺ホルモンが落ち着いている状態をバセドウ病の寛解状態といいます。
バセドウ病患者さんで、治療薬を止め手もいい条件として①薬がかなり少量(メルカゾール2日で1錠ぐらい)いい状態、②甲状腺が大きくない、(③TSHレセプター抗体(原因となる免疫物質)が陰性)であることです。ただし、③は満たさなくても結構、薬を中止できるようで、条件に挙げないことも多いです。

①②の条件を満たしていて、バセドウ病が再発しない可能性は70-80%ぐらいで、満たさないと20-30%に落ちます。2人とも①②の条件は満たしておられて、親子してバセドウ病の状態が似ておられました。

血は争えないものと改めて認識した次第です。

名古屋 甲状腺 専門医のブログ 妊娠中の甲状腺機能亢進症

妊娠中に起こる甲状腺機能亢進症

昨日、ある患者さんが甲状腺を心配されて見えました。妊娠中に「つわり」がひどいため、名古屋市内にある大きな病院の産科に数ヶ月前に入院され、甲状腺ホルモンが多いので内分泌内科の部長先生に診てもらったようです。

診断は軽いバセドウ病か、でヨードの摂り過ぎで甲状腺ホルモンが多くなったとの説明だったようです。
その後は、甲状腺ホルモンも改善して元気になったようです。

この病気は「妊娠一過性甲状腺機能亢進症」と呼べれる状態です。
バセドウ病ともヨードの摂りすぎとも全く関係ありません。

妊娠初期には胎盤からHCGという性ホルモンがたくさん出ます。
これが、「つわり」おこしたりしますが、少しながら甲状腺ホルモンをつくる働きもあります。

HCGがかなり多いと妊娠初期に一時的に甲状腺ホルモンが多くなることがあります。
ただ、これは1ヶ月ぐらいで正常となるので、よほど重症でなければ、治療せずに様子みます。

ヨード制限は全く無意味です。むしろ、治療薬でヨード薬を使用することがあるぐらいです。
大病院の専門とされるドクターでも結構お寒い状態のこともあります。