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名古屋 甲状腺 専門医のブログ バセドウ病のお薬

バセドウ病のお薬

バセドウ病患者さんの多くは甲状腺薬というお薬で治療されています。
甲状腺のホルモンをつくらなくするお薬です。

現在
①メルカゾ-ル
②プロパジール(チウラジール) の2種類がありますが、
効きの強さと副作用の少なさから①メルカゾールが圧倒的に多く使われています。

ただし、副作用で①メルカゾールが使えないとき、
妊娠初期と授乳中の患者様では②プロパジールを使うことがあります。

バセドウ病のお薬は勝手に中止しないようにして下さい。ご心配な方は、主治医または専門医にご相談下さい。

名古屋 甲状腺 専門医のブログ バセドウ病

バセドウ病の治療

セドウ病の治療には
①お薬
②手術
③放射線治療

の3つがあります。
①お薬
簡単ですが、これで治る方は2割ぐらいとされています。あとの方は薬の治療を続けた場合飲み続けることになります。
②手術
入院・全身麻酔が必要で、キズあとも残ります。しかし、効果は確実で早いです。
③放射線治療
甲状腺ホルモンの材料であるヨードに放射線をつけて、体の中に入れて、甲状腺の中から放射線を出して甲状腺を徐々に小さくします。
外来でも出来ますが、効果出るまでに数ヶ月かかかり、効果が一定でないのが欠点です。

アメリカでは③放射線治療が主流で、7割ぐらいの患者さんが放射線で治療されています。
一番の理由は全体の医療費が安くなるからだそうです。
日本では①お薬が主流です。一部の患者さんが放射線治療を受けておられます。
ヨーロッパでは日本とアメリカの中間ぐらいです。

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バセドウ病とタバコ

バセドウ病の患者さんがタバコを吸っているとバセドウ病が治りにくく、眼の症状が悪化しやすくなります。
眼の症状は眼球突出や眼の動きが悪くなって2重にものが見えたり、なかには視力が悪くなることがあります。
バセドウ病の患者さんにはタバコは絶対にいけません。禁煙をお勧めします。

名古屋 甲状腺 専門医のブログ バセドウ病

バセドウ病とヨード

ヨードは甲状腺ホルモンの材料となるため、ヨードの摂り過ぎでバセドウ病が悪化すると心配させる方がいますが、普通道理で構いません。
ヨーロッパの山奥の国々などヨード摂取が 少ない地域では、ヨードとたくさん取るとバセドウ病の薬が効きにくくなることがありますが、日本では海藻を摂っても薬の効きに変わりないことがわかっています。
日本の甲状腺専門医はヨード制限はいたしません。
ただし、過剰に摂りすぎると、甲状腺ホルモンを急激に下げてしまいますので、薬で安定されている方が海藻の食べ過ぎで甲状腺ホルモンが低下する可能性はあります。
過剰に海藻を食べない限り心配ありません。

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バセドウ病とストレス

バセドウ病は、なりやすい遺伝体質をもっている人が、精神的ストレスをきっかけに免疫異常を起こして起こりやすくなることがわかっています。
遺伝的体質と精神的ストレスが組み合わさって起こると考えられるわけです。
それだけに、精神的ストレスが多くなり過ぎないように注意することが大切です。

バセドウ病の治療中にも、イライラするようなできごとが多いと悪化することありす。
治っていたバセドウ病ストレスで再発することもあります。
精神的ストレスは発病の引き金になり、治りにくくなったり、再発したりします。

バセドウ病の患者さんは治りやすいように、悪化しないようにするためには、睡眠、食事、仕事など生活リズムを規則正しくすることです。疲れや精神的なストレスをため込まないように、リフレッシュすることも大切です。

名古屋 甲状腺 専門医のブログ バセドウ病と間違えやすい病気

破壊性甲状腺

バセドウ病は甲状腺ホルモンが勝手にたくさんつられて、甲状腺ホルモンが多くなる病気です。
甲状腺ホルモンが多くなる病気に破壊性甲状腺炎というのがあります。

橋本病(慢性甲状腺炎)といって、通常は甲状腺にゆっくりとした炎症がある病気ですが、
ある時、炎症がつよくなって、甲状腺の中に貯めてあった甲状腺ホルモンが、
一気に血液にもれてきて甲状腺ホルモンは多くなることがあります。
甲状腺に痛みがないということで無痛性甲状腺といわれます。

また、ウイルス感染いわれていますが、甲状腺に週数間炎症を起こして、
同様に血液中のホルモンが多くなる亜急性甲状腺炎という病気があります。

この2つは甲状腺が破壊されてホルモンが高くなるので破壊性甲状腺と呼ばれます。
バセドウ病と違って、亜急性甲状腺炎で数週間、無痛性甲状腺炎で1-3ヶ月で、
ほとんどは甲状腺ホルモンは自然と正常に戻ります。

すなはちバセドウ病と同じ治療はしないということです。
しかし、間違われて治療されている患者様も少なからずみえるのも事実です。

ご心配な方は専門医にご相談ください。

名古屋 甲状腺 専門医のブログ バセドウ病

バセドウ病という名前の由来

バセドウ病はドイツ人医師のBasedow氏が最初に報告しましたので、名前をとってバセドウ病といいます。
イギリス人医師のGreves氏も同様の報告をしましたので、グレーブス病ともいいます。
日本ではバセドウ病と呼ぶのが主流ですが、欧米とくに英語を話す国ではグレーブス病が主流です。

男性1人に対して女性4人ほどの比率で女性に多い病気です。
発病年齢は、20歳代、30歳代が半分以上を占め、次いで40歳代、50歳代となっています。
200人~500人に1人に起こるといわれえいます。

甲状腺に対する免疫物質が刺激になって甲状腺ホルモンを過剰に作ってしまう病気です。

名古屋 甲状腺 専門医のブログ 甲状腺機能亢進症の症状

甲状腺機能亢進症の症状

甲状腺ホルモンは体の代謝と内臓の働きを活発にする作用があります。
ある高名なドクターは「甲状腺ホルモンは心と体を元気にする」と話されています。
 
甲状腺ホルモンが過剰になる甲状腺機能亢進症では体の代謝と内臓の働きが活発になりすぎて、いろんな症状が出ます。
じっとしていてもいつも運動しているのと同じ状態になります。
脈が速くなってドキドキし、胃腸が盛んに動いて便がゆるくなる。
汗をかき、暑がりになるなどだ
精神的にも敏感になって、いらいらします。

猛烈にカロリーが消費されますので、食べてもやせてしまいます。
スィーツは食べたいがやせたい願望のある女性にとってはありがたいのですが、
心臓の負担が重くなったり、
骨の代謝がよすぎて、骨のカルシウムが少なく骨粗しょう症になったりしますので、
甲状腺機能亢進症のまま放置することはお勧めできません。

名古屋 甲状腺 専門医のブログ 甲状腺機能亢進症

甲状腺機能亢進症の話をします

甲状腺ホルモンが多い状態を甲状腺中毒症といいます。
甲状腺機能亢進症は甲状腺ホルモン過剰に作られる病気で、甲状腺中毒症の中に入ります。
甲状腺ホルモンの飲みすぎや、破壊性甲状腺炎といって甲状腺に貯まっている甲状腺ホルモンがもれ出てくる場合は甲状腺機能亢進症ではなく、甲状腺中毒症といいます。

甲状腺機能亢進症の中には、
①甲状腺に対する免疫物質の刺激が原因であるバセドウ病
②甲状腺腫瘍がホルモンをつくってしまう中毒性結節(プランマー病など)
③甲状腺ホルモンを調節している甲状腺刺激ホルモンが多くなる病気
などがあります。

名古屋 甲状腺 専門医のブログ バセドウ病と橋本病

バセドウ病と橋本病


代表的な甲状腺の病気にバセドウ病橋本病(=慢性甲状腺炎)があります。
これらは、甲状腺に対する免疫の異常で起こってきます。

免疫とは体外のばい菌や異物が体に進入して暴れないように退治する作用がありますが、自分の甲状腺に対して自分で免疫(自己免疫といいます)をつくってしまうことがあります。

バセドウ病は、この免疫物質が刺激になって勝手に甲状腺ホルモンをたくさんつくってしまう病気です。
対して、橋本病は免疫によって甲状腺が破壊される病気です。甲状腺ホルモンが下がってしまうことがあります。

自分の免疫異常でおこることから、これらの2つの病気は自己免疫性甲状腺疾患といいます。
自己免疫の病気はもともと女性に多いことから、甲状腺の病気は男性より数倍、女性に多いです